ご高齢の方や足の御不自由な方にもご利用いただきやすい低目の畳ベッドのある寝室。
そして広めの浴槽を備えた浴室。
中庭をはさんでお食事の部屋もご用意いたしました。
二階にも和ベッドの部屋があります。
どうぞごゆっくりお過ごし下さいませ。
茶人好みの数奇屋造り
ほの暗い明かりのなか、まったりと、飴色に光る北山丸太の柱に、むらむらとした土壁の滲み
情緒あるしつらえ 四季を感じる静寂
それは、侘びの美学
ようこそ、京都炭屋旅館へ
梅雨が明けると「葭障子」がたてられ、畳の上には「あじろ」が敷かれる。
筧の水したたる中庭には打水されて、さて軒先の「すだれ」をおろせば、夏の京都の舞台装置が出来上がる。
炭屋の客間にはいろいろな趣の引き手がある。それは笹の葉であったり雀や糸巻きであったり、実用というよりもむしろ装飾的なものが多い。引き手の歴史は古く、桂離宮や曼珠院など数寄屋造りにみられる引き手のように、江戸時代には埋め込み金具の引き手にも様々なデザインが生まれた。
御覧頂きますこの引き手、瓢箪は種子が多いところから子孫繁栄のシンボルとして、また吉祥の縁起を担ぐとして喜ばれたようだ。
今でも様々の形で暮らしの中に溶け込んでいる。真ん中でくびれた瓢箪のこの形が面白く、数寄と遊びがうまく調和して父の自慢の引き手の一つであった。
「ええか 襖は取り替えても引き手は残しておきや」
今は亡き父の部屋の引き手に手を掛けると、この言葉が今も聞こえて来るようである。